荻窪「there is ramen」麺が見えないチャーシュー麺|行列の先にある淡麗の一杯

荻窪「there is ramen」丼一面に敷き詰められたチャーシューで麺が見えない“チャーシュー麺” 中央線グルメ
荻窪「there is ramen」丼一面に敷き詰められたチャーシューで麺が見えない“チャーシュー麺”

荻窪でラーメンを食べるなら一度は体験しておきたい。そう思わせたのが、ビブグルマンに選出された、ゼアイズラーメンの中華そばという肩書きだった。目当てはチャーシュー麺。丼の表面を覆う肉と、煮干の香りが立つ淡麗系のスープ、その輪郭を自分の舌で確かめたくて足を運んだ。

荻窪「there is ramen」行列に耐え淡麗の1杯を食すその時を待つ強者達
荻窪「there is ramen」行列に耐え淡麗の1杯を食すその時を待つ強者達

2024年5月の日曜日、11時30分頃に到着。店舗前にはすでに5〜6名の列。住宅街の路地に人が一直線に並び、足元のアスファルトが陽に温められている。丸椅子に腰を下ろすと、背中に外気の湿り気を感じた。

待っているあいだ、店内から醤油の匂いが流れてくる。甘さよりも先に塩の気配が鼻腔を刺激する。淡麗系と聞いていたが、香りは想像より鋭い。透明なスープなのか、それとも塩が前に出るのか。列に並びながらそんな予感が膨らんだ。

着丼直後の第一印象(見た目・香り)

丼はやや小ぶり。縁の近くまで満たされた茶色のスープの上を、薄切りのチャーシューが隙間なく覆っている。麺は中央でもほとんど見えない。表面には透明な油が薄く広がり、照明を受けて細かく揺れる。湯気は細い線になって立ち上がり、頬に触れてすぐ消える。

荻窪「there is ramen」丼一面に敷き詰められたチャーシューで麺が見えない“チャーシュー麺”
荻窪「there is ramen」丼一面に敷き詰められたチャーシューで麺が見えない“チャーシュー麺”

鼻を近づけると、醤油の匂いの奥から乾いた煮干の香りが抜ける。粉を思わせる香りが鼻の奥に残る。

スープの味わい

レンゲで一口すくう。液体は澄んだ褐色で、油は膜のように薄い。口に含むと、最初に舌先へ塩が当たる。細い針のように一点に触れ、その後すぐに広がる。続いて煮干の風味が鼻に抜ける。魚を乾かしたときの乾いた匂いが上顎に貼りつく感覚。

荻窪「there is ramen」舌の奥に旨みが留まり後味は長く尾を引かない“淡麗スープ”
荻窪「there is ramen」舌の奥に旨みが留まり後味は長く尾を引かない“淡麗スープ”

甘みは舌の中央にじわりと広がり、角砂糖のような直線的な甘さではなく、出汁の厚みとして残る。油は唇に強く残らない。指で触れてもべたつきは薄く、飲み込んだ後も口内に重たい膜はできない。温度は高く、喉を通るときに食道の内側がじんわり熱を帯びる。二口、三口と進めるうちに、最初に感じた塩の刺激はやや落ち着き、煮干の香りが前に出る。舌の奥に旨みが留まり、後味は長く尾を引かない。

いわゆる淡麗系という言葉を使うなら、透明感がある、つまり油が舌に厚く残らないという意味で当てはまる。ただし味の密度は軽くない。液体の中に出汁の粒子が均等に溶け込み、飲むたびに同じ角度で塩が立つ。終盤になっても濁りは出にくく、レンゲを口に運ぶ回数が自然と増えた。

麺の味わいと食感

箸で持ち上げると、細めのストレート麺が揃って持ち上がる。表面はなめらかで、光を帯びている。すすった瞬間、スープが麺の外側にまとわりつき、そのまま口内に流れ込む。歯を入れると軽い抵抗があり、噛み切るときに小さく弾く。芯は残らず、しかし柔らかすぎない。

荻窪「there is ramen」歯を入れると軽い抵抗があり噛み切るときに小さく弾く“細麺”
荻窪「there is ramen」歯を入れると軽い抵抗があり噛み切るときに小さく弾く“細麺”

麺単体で強い小麦の香りを主張するタイプではない。スープの塩分と煮干の風味を均一に運ぶ役割に徹している印象。勢いよくすすれば、液体と一体になって喉へ落ちる。温度が下がるにつれ、麺の表面にまとわりつく油の感触がわずかに増すが、重さとしては残らない。

チャーシューの味と食感

チャーシューは主にバラ。薄切りで、丼の全面を覆う配置。脂は層になって入り、持ち上げると自重でややしなる。口に入れると脂が体温でゆるみ、舌の上でほどける。赤身部分は繊維がほぐれやすく、噛むと内部から肉汁がにじむ。

荻窪「there is ramen」口に入れると脂が体温でゆるみ舌の上でほどける“チャーシュー”
荻窪「there is ramen」口に入れると脂が体温でゆるみ舌の上でほどける“チャーシュー”

味付けは醤油が中心で、スープより塩分はやや穏やか。スープに浸した状態で食べると外側に塩が重なり、輪郭がくっきりする。時間が経つにつれて表面がスープを吸い、色が濃くなる。温度低下とともに脂がわずかに固まり、最初より歯ごたえが増すが、薄さゆえに負担は少ない。

食べ進めた後半の変化

後半、スープの温度が落ち着くと煮干の香りは穏やかになり、塩の当たりも丸くなる。油はわずかに前へ出るが、唇に厚い層を作るほどではない。味が単調に崩れることはなく、塩と出汁のバランスは終盤まで保たれている。

荻窪「there is ramen」塩と出汁のバランスは終盤まで保たれている“淡麗醤油ラーメン”
荻窪「there is ramen」塩と出汁のバランスは終盤まで保たれている“淡麗醤油ラーメン”

完飲は可能な設計だが、塩分を考えて私は途中で止めた。満腹感は腹部に重く沈むというより、胃の内側が温まる感覚に近い。

総評|この一杯はどんな人に刺さるか

チャーシュー麺は、煮干の香りと塩の輪郭を軸に組み立てられた中華そばだった。強みは、油を抑えつつも出汁の密度を保っている点。弱点を挙げるなら、甘みや動物系の厚みを強く求める人には物足りなく映る可能性があること。

荻窪「there is ramen」煮干の乾いた香りと塩の輪郭が舌先に立つ、荻窪のチャーシュー麺。
荻窪「there is ramen」煮干の乾いた香りと塩の輪郭が舌先に立つ、荻窪のチャーシュー麺。

私はスープの塩の立ち方と後味の残り方を基準に判断しているが、その観点では再訪を考えたくなる一杯だった。滞在はおよそ30分ほど。

【この一杯を一文で表すと】
煮干の乾いた香りと塩の輪郭が舌先に立つ、荻窪のチャーシュー麺。

荻窪で美味しい淡麗系の醤油ラーメンを食べるなら

荻窪でラーメンを探すと行列の有無が気になるが、この日は日曜11時30分で5〜6名待ち。しばらくすると椅子に案内され、流れは滞らなかった。提供まで極端に長く待つ印象はない。量は丼が小ぶりに見えるものの、チャーシューの枚数が多く体感は標準的で自作のチャーシュー丼を作ることも可能。

荻窪「there is ramen」丼一面に敷き詰められたチャーシューで麺が見えない“チャーシュー麺”

卓上にはチャーシュー丼用のタレや和辛子が置かれていた。支払いは券売機方式。ビブグルマンに選ばれた中華そばという看板を背負いながらも、淡麗系のチャーシュー麺を静かな環境で食べたい人には選択肢に入る店だと感じた。

【向いている人】

煮干の香りと塩の輪郭をはっきり感じたい人/油の層が厚いスープを避けたい人/荻窪で中華そばを探している人

【向いていない人】

動物系の強いコクや大量の麺量を求める人/行列を避けたい人

【最寄り駅】:JR中央線「荻窪駅」から徒歩6分。 住宅街寄りの落ち着いたエリアに店を構える。 Googleマップで場所を見る

このブログでは、チェーン店では味わえない、その街ならではの魅力が詰まったグルメ情報を中心に発信しています。首都圏を中心に、個人経営の飲食店や地域に根付いた名店など、Web上では見つけにくい飲食店を実際に訪問し、実食をもとに率直な感想をまとめています。

紹介している店舗はすべて筆者自身が足を運び、料理の味わいだけでなく、店の雰囲気や立地、訪問時の印象まで含めて記録しています。実体験に基づいた情報を大切にしているため、初めて訪れる方でも参考にしやすい内容を心がけています。

いつもの外食から一歩踏み出し、新しい味や店との出会いを楽しみたい方に向けて、非チェーンの飲食店を中心に紹介しています。本ブログが、日々の食事選びや外出のきっかけづくりに少しでも役立てば幸いです。

ブログランキングに参加しています。

バナークリックで応援お願いします!

↓↓↓↓↓

にほんブログ村 地域生活(街) 東京ブログへ
にほんブログ村

コメント

タイトルとURLをコピーしました