荻窪「リョウテにサバ」で出会った唯一無二の鯖丼体験

その日、私は「荻窪トマト」でカレーを食べるつもりで足を運びました。以前から気になっていた店だったのですが、残念ながら臨時休業。お腹を空かせたまま商店街を歩いていると、まだ開店前だというのにすでに数人が並んでいる店を見つけました。その名も「リョウテにサバ」。鯖丼専門店という尖った業態に驚きつつ、列に並ぶ人々の期待感を信じて、事前の下調べもなく飛び込むことにしました。
正直に言えば、鯖は私にとって“家庭の食卓の定番”。焼き鯖や味噌煮といった、庶民的な姿が思い浮かびます。それを専門に扱う店が、どんな一杯を提供してくれるのか。期待と好奇心が混ざり合った気持ちで入店しました。
荻窪の商店街にひっそり佇む「リョウテにサバ」の外観と内観

「リョウテにサバ」は荻窪の商店街に溶け込むようにあり、唯一目を引くのはオレンジ色の看板。木目調の壁と引き戸と、白い提灯に黒文字で描かれた丼の上で踊っているかのような鯖が特徴的。初見では通り過ぎてしまいそうですが、その前にできる行列が存在感を証明しています。診断士的にはもう少し量販店的なテイストを抑えた方が良さそうな気もしましたが、ある程度の多店舗展開を目指すのであれば避けては通れないのか…。
店内は10数席ほどの小さな空間。カウンター席が中心で、二人掛けの小さなテーブルや四人掛けのテーブルなどもあります。壁には鯖や米へのこだわりを紹介する張り紙があり、ただの大衆食堂ではないことが伝わってきます。開店から10分もすると、すでに満席。近隣住民に愛されているのがよく分かります。
素材の旨みをストレートに味わえる「さばめし」
ふわふわ&サクサク食感が癖になる「さばめし」

メニューにはトッピングを加えたバリエーションが並んでいました。チーズやキムチ、マヨネーズなど、組み合わせ次第で化けそうなラインナップ。しかし初訪問の私は迷わず「ノーマルのさばめし」を注文しました。専門店の素顔をまずはそのまま味わいたかったからです。
荻窪で鯖丼が食べられる店は?
香ばしさとふっくら感が共演する「さばめし」

目の前に運ばれてきた鯖丼は、想像以上に豪快でした。ご飯の上には「もやしナムル」と「水菜」が敷かれ、その上に肉厚な鯖の半身がドンと鎮座。まずは香りが鼻腔を直撃します。皮目を炙った香ばしい匂いが、食欲を掻き立ててやみません。
箸を入れると、驚くほど身が柔らかくほろりと崩れます。脂乗りの良いノルウェー産鯖を秘伝のタレで下味をつけ、丁寧に焼き上げた結果でしょう。皮はパリッと香ばしく、中はふっくらジューシー。余分な脂は落とされ、旨みだけが閉じ込められています。

一口頬張ると、鯖の旨みが口いっぱいに広がり、ご飯と絶妙に絡み合います。契約栽培による新潟産コシヒカリはふっくらと甘く、鯖の強い旨みに負けません。シンプルなのに完成度の高い丼で、「日本人に生まれてよかった」と思わず心の中で呟いてしまいました。
特製醤油で広がる“味変”の楽しみ

卓上には二種類の特製醤油が置かれています。まずはシンプルな醤油。数滴垂らすと鯖の香ばしさを邪魔せず、むしろ引き立ててくれるバランスの良さ。もう一方の辛口醤油は、すりおろした野菜のような複雑な風味があり、まるで和風ドレッシングをかけたような新鮮さがあります。
鯖そのものが完成された味わいなので、醤油はほんの数滴で十分。食べ進めながら少しずつ変化を楽しむのがおすすめです。
「リョウテにサバ(両手に鯖)」の魅力とおすすめポイント

「リョウテにサバ」のさばめしは、一見シンプルながら随所に職人のこだわりが詰まっていました。ノルウェー産の脂のりの良い鯖、契約栽培のコシヒカリ、もやしナムルや水菜といった副菜のアクセント。それらが一体となり、ただの“焼き鯖ご飯”をはるかに超える体験へと昇華しています。
価格だけ見れば決して安くはありません。しかし素材と手間を考えれば納得できる内容。むしろこの専門性を貫いているからこそ、唯一無二の価値が生まれていると感じました。まさに「鯖丼に全力投球したランチェスター戦略」を体現しているようなお店です。
まとめ|荻窪で「さばめし」を食べるならリョウテにサバへ

荻窪で偶然出会った「両手に鯖(リョウテにサバ)」。期待を大きく超える鯖丼体験でした。香ばしさとふっくら感を兼ね備えた焼き鯖は、一度食べれば忘れられない味。シンプルだからこそ素材の良さが際立ち、最後の一口まで飽きることがありません。
荻窪で美味しい丼を探している方、魚好きはもちろん「鯖の新しい魅力を知りたい」という方にも強くおすすめしたい一軒です。
↓東京都内で出会えるおすすめグルメ「焼き鯖」編↓
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さばめし専門店 リョウテにサバ 荻窪本店※Instagram
【住所】〒167-0051 東京都杉並区荻窪5丁目23−12 オキビル
【電話番号】03-4500-0540
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