井荻「中華そば 麺壁九年」静かな街角で出汁の香りに引き込まれる特製中華そば体験|めんぺき

井荻「麺壁九年」小白衣色のスープが美しい【特製中華そば】 井荻
井荻「麺壁九年」小白衣色のスープが美しい【特製中華そば】

井荻「麺壁九年」静かな街角で出汁に引き込まれる特製中華そば

西武新宿線の井荻駅で降りたのは、昼のピークを少し外した時間だった。改札を出てから歩いて二分ほど。賑やかな商店街というより、生活の動線に溶け込んだ通り沿いに、その店はあった。派手な看板はなく、視線を落とさないと見逃してしまいそうな佇まい。それでも足が止まったのは、ガラス越しに見えた厨房の動きと、店内に滲む落ち着いた空気だった。

井荻「麺壁九年」店舗外観
井荻「麺壁九年」店舗外観

この日「中華そば 麺壁九年」を選んだ理由は単純だ。井荻ランチを探して歩いていたとき、外から漂ってきた出汁の香りが、昔よく通った街のラーメン屋の記憶を呼び起こした。軽く、けれど芯のある香り。期待は自然と高まっていた。

井荻の駅前路地で感じた、落ち着いた空気と店の居心地

引き戸を開けると、カウンターと小さなテーブルが並ぶ、9席ほどの空間。壁や床に過度な演出はなく、必要なものだけが手の届く場所に置かれている。券売機の横には、少し丸まった紙の案内。手書きの文字から、この店の時間の流れ方が伝わってきた。

厨房では店主が黙々と鍋に向き合っている。水の音、麺を上げる湯切りの振動、丼を温める所作。その一つひとつが急ぎすぎていない。料理提供までの数分、店内に流れるのは緊張感よりも、安心に近い空気だった。

特製中華そばが目の前に届いた瞬間、期待が確信に変わる

井荻「麺壁九年」小白衣色のスープが美しい【特製中華そば】
井荻「麺壁九年」小白衣色のスープが美しい【特製中華そば】

券売機の左上にあった「特製中華そば」を選んだ。しばらくして運ばれてきた丼は、思わず背筋が伸びるほど端正だ。表面に浮かぶ油は控えめで、琥珀色のスープがきれいに見える。具材は隙間なく並びながらも、盛りすぎた印象はない。

丼が置かれた瞬間、カツオ節を思わせる香りが立ち上がった。鼻腔をくすぐるが、強すぎない。レンゲを持つ前から、この一杯が静かに組み立てられてきたことが伝わってくる。

出汁が重なる醤油スープ、その輪郭がはっきりする瞬間

井荻「麺壁九年」味わい深いWスープ
井荻「麺壁九年」味わい深いWスープ

最初の一口は、塩味よりも旨味が先に来た。鶏のふくよかさと、魚介の輪郭が同時に舌に触れるが、どちらかが主張しすぎない。飲み進めると、温度が少しずつ下がるにつれて、甘みと香りの出方が変わっていくのが分かる。

具体的な素材名を挙げるよりも、「二層になった出汁」と表現したほうが近い。重ねた時間があるからこそ、このバランスに落ち着いたのだろうと、自然に思えた。

細麺がスープを持ち上げる、啜り心地の良さ

井荻「麺壁九年」菅野製麺所の細麺はスープを持ち上げ抜群
井荻「麺壁九年」菅野製麺所の細麺はスープを持ち上げ抜群

麺は細めで、表面はつるりとしている。啜るとスープを持ち上げすぎず、噛むと小麦の存在感が残る。全粒粉らしい粒感が、後半にかけて効いてくるのも印象的だった。

勢いよく食べても破綻せず、ゆっくり味わっても間延びしない。この麺が選ばれている理由は、食べている途中で自然と腑に落ちた。

二種のチャーシューと、味の余白

井荻「麺壁九年」過剰な味付けはなくスープと一緒に完成する設計の焼豚
井荻「麺壁九年」過剰な味付けはなくスープと一緒に完成する設計の焼豚

チャーシューは二種類。脂の甘みが穏やかな豚バラと、きめ細かな豚ロース。個人的に心に残ったのは後者だった。噛んだ瞬間、肉の水分がじんわりと広がり、スープの塩気と混ざる。

過剰な味付けはなく、スープと一緒に完成する設計。単体で主張しないからこそ、丼の中で役割を果たしている。

ご飯が欲しくなるほどに完成度の高い煮卵

井荻「麺壁九年」ご飯が欲しくなるほどに完成度の高い煮卵
井荻「麺壁九年」ご飯が欲しくなるほどに完成度の高い煮卵

真っ白に近い見た目の煮卵を、終盤まで残した。レンゲの上で割ると、黄身がゆっくりと流れ出す。その瞬間、スープの表情が変わった。

最初に混ぜてしまうと全体の輪郭がぼやけるが、最後に加えると、締めの一口に柔らかさが生まれる。これは食べ進めたからこそ分かった、自分なりのタイミングだ。

食後に残ったのは、静かな満足感

井荻「麺壁九年」ワンタン
井荻「麺壁九年」ワンタン

完食して丼を置いたとき、満腹感よりも落ち着きが残った。強い印象を押し付けてこないが、思い出すとまた食べたくなる。そんな後味だ。

会計のとき、店主と短く交わした一言も、必要以上ではなかった。その距離感が、この店の居心地を形作っているのだと思う。

井荻グルメで、また来たくなるラーメンは?

派手さや話題性ではなく、日常の延長で選びたくなる一杯を探しているなら、この店は記憶に残る。井荻隠れ家という言葉がしっくりくるのは、理由がある。

まとめ:感情を静かに動かす一杯

井荻「麺壁九年」券売機(2024年メニュー)
井荻「麺壁九年」券売機(2024年メニュー)

「中華そば 麺壁九年」は、効率よりも味と空気を優先していると感じた瞬間が、随所にあった。外観、店内、調理、そして丼の中。そのすべてが、過不足なく繋がっている。

また井荻で昼を迎えたら、きっと思い出す。そのときは、別のメニューにも手を伸ばしてみたい。そんな余韻を残して、店を後にした。

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中華そば 麺壁九年 井荻店

【住所】〒167-0023 東京都杉並区上井草1丁目24−22 小山ビル 1F

【最寄り駅】西武新宿線井荻駅から徒歩2分

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