森下「山利喜」のもつ煮込みを選んだ理由|東京三大煮込みと呼ばれる一杯を自分の舌で確かめた夜

森下「山利喜」漆黒に染まった汁と艶のある“もつ煮” メトログルメ
森下「山利喜」漆黒に染まった汁と艶のある“もつ煮”

焼きとんが好きで、これまで何軒もの酒場を巡ってきた。その中で、ときどき出会う「記憶に残る煮込み」は、ただ腹を満たす以上の幸福感をくれる存在だった。美味しい煮込みはいくつか体験してきたが、そろそろ“東京三大煮込み”と呼ばれる世界に、きちんと足を踏み入れてみたい。そう思ったとき、頭に浮かんだのが森下の「山利喜」だった。

森下「山利喜」東京三大煮込みと呼ばれる名店の一つ
森下「山利喜」東京三大煮込みと呼ばれる名店の一つ

平日の20時半過ぎ。念のため予約を入れようと何度か電話をかけたが繋がらず、そのまま森下駅から歩いて店へ向かった。大きなビルの外観を見た瞬間、下町の老舗酒場という事前イメージと少し違うな、と感じたのを覚えている。エレベーターで上がり、扉を開けると、そこには活気あるカウンターと、昭和の空気をしっかり残した居酒屋の風景が広がっていた。

正直なところ、もっと手狭で年季の入った空間を想像していた。ところが、店内はいい意味でこぢんまりとまとまり、カウンター越しには焼き場のライブ感、そして奥には大きな鍋で煮込みがグツグツと音を立てている。その光景を見た瞬間、「今日は間違いなく煮込みを食べに来た夜だ」と気持ちが定まった。

森下・山利喜の煮込み(玉子入り)を注文した瞬間

この日の入店時、焼きとんはほとんどが売り切れ。時間帯の遅さもあり、やきとん目当てなら完全に読み違えた訪問だった。ただ、逆に言えば、この日は煮込みとサイドメニューに集中できる状況だったとも言える。迷わず「煮込み(玉子入り)」を注文した。

森下「山利喜」漆黒に染まった汁と艶のある“もつ煮”
森下「山利喜」漆黒に染まった汁と艶のある“もつ煮”

ほどなくして運ばれてきた煮込みは、土鍋の中でまだ音を立てていた。漆黒に染まった汁、艶のあるもつ、そこに沈む玉子。見た目だけで、長時間火を入れてきたことが伝わってくる。湯気の立ち上がりと一緒に、味噌と赤ワインが混ざり合ったような香りが鼻に届き、思わず身を乗り出した。

もつ煮込みを一口目で判断する

レンゲですくって口に運ぶ。まず驚いたのは、もつの食感だった。煮込みというと、柔らかく溶けるようなイメージを持っていたが、山利喜のもつはプリプリしている。噛むたびに弾力があり、それでいて臭みは一切感じない。

森下「山利喜」噛むたびにプリプリとした弾力を楽しめる”もつ煮”
森下「山利喜」噛むたびにプリプリとした弾力を楽しめる”もつ煮”

聞けば、牛のシロ(小腸)とギアラのみを使い、脂を取り除かない状態のものを使っているという。確かに、コクはかなり濃厚だが、重たさは残らない。味噌の旨味の奥から、ほのかにワイン由来と思われる酸味が顔を出し、ただ濃いだけで終わらない。

玉子も印象的だった。表面までしっかり色づき、中まで味が染みている。煮込みの汁を吸った黄身を口に含むと、もつとは違う丸みのある旨さが広がり、箸が止まらなくなる。

煮込みと日本酒ハイボールの相性を確かめる

壁に貼られていたメニューで目に留まった「日本酒ハイボール」を頼んだ。正直、どんな味なのか想像がつかなかったが、一口飲んで納得した。スッとした飲み口で、煮込みの濃厚さをきれいに切ってくれる。

森下「山利喜」スッとした飲み口の日本酒ハイボール
森下「山利喜」スッとした飲み口の日本酒ハイボール

煮込み→日本酒ハイボール→煮込み。この往復が心地いい。煮込みのコクを楽しみつつ、後味を引きずらない。この組み合わせは、ここに来たら一度は試してほしいと思った。

特製メンチカツ(ジンジャーソース)が想像を裏切る

煮込みだけで終わらせるつもりがなく、「特製メンチカツ(ジンジャーソース)」も注文した。もつ焼き屋のメンチカツ、という軽い気持ちだったのだが、これが完全に想定外だった。

森下「山利喜」神社ソースが印象的だった特製メンチカツ
森下「山利喜」神社ソースが印象的だった特製メンチカツ

ナイフを入れると、中から肉汁が溢れ出す。勢いよく、という表現がそのまま当てはまるほどだ。ガーリックの効いたクリーミーなソースを絡めて口に運ぶと、肉の旨味が前面に出てくる。昭和の酒場で出てくる一品とは思えないほど、味の設計が細かい。

煮込みの余韻が残る口の中に、まったく違うベクトルの旨さが重なる。煮込み一本勝負の店だと思っていた自分の認識は、このメンチカツで大きく修正された。

ポテトチーズ焼きで感じた意外な優しさ

さらに「ポテトチーズ焼き」を追加。名前からグラタンのようなものを想像していたが、実際は少し違った。じゃがいもが牛乳をたっぷり吸い込み、全体としては“牛乳煮込み”に近い。

森下「山利喜」牛乳煮込みの様な味わいの“ポテトチーズ焼き”
森下「山利喜」牛乳煮込みの様な味わいの“ポテトチーズ焼き”

味わいは驚くほど優しい。そのままでも十分だが、卓上にあった唐辛子の効いた調味料を少し垂らしてみた。沖縄のコーレーグースーを思わせる刺激的な辛さで、一気に輪郭がはっきりする。辛さが得意な人なら、ぜひ試してほしい組み合わせだ。

遅い時間帯の森下・山利喜で感じた現実

この時間帯、焼きとんはほぼ完売。人気店であることを改めて実感した。一方で、煮込みやサイドメニューはしっかり楽しめたので、目的をどこに置くかで来店時間の判断は変わると思う。

下町の酒場というより、「計画して訪れる店」という印象が強い。確実に山利喜を堪能したいなら、予約をして早めの時間に来るのがベストだと感じた。

食後に残った山利喜という店の判断

東京三大煮込みと呼ばれる理由は、実際に食べてみて理解できた。濃厚でありながら、食べ進めても嫌にならない煮込み。さらに、煮込み以外の料理もきちんと美味しい。

森下「山利喜」煮込み以外の料理もきちんと美味しい良酒場
森下「山利喜」煮込み以外の料理もきちんと美味しい良酒場

一人でも楽しめるが、空間や料理の構成を考えると、2人以上でいく方が落ち着いて過ごせそうだ。次に来るときは、焼きとんが揃う時間帯に、もう少し余裕を持って訪れたい。

どんな人に向いているか

煮込みが好きで、しっかり記憶に残る一杯を求めている人。下町の老舗酒場の空気を感じながら、腰を据えて飲みたい人。煮込みだけでなく、酒に合う料理も楽しみたい人。

向いていない人

予約せずに遅い時間に焼きとんを目当てに来たい人。軽く一杯だけ飲んで、さっと帰りたい人。価格重視で大衆酒場を探している人。

↓東京都内で出会えるおすすめグルメ「煮込み」編↓

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山利喜 本館 森下

【住所】〒135-0004 東京都江東区森下2丁目18−8

【最寄り駅】:都営大江戸線・都営新宿線「森下駅」から徒歩1分。 再開発が進んだ大きな通りに面したビルに店を構える。 Googleマップで場所を見る


このブログについて

このブログでは、チェーン店では味わえない、その街ならではの魅力が詰まったグルメ情報を中心に発信しています。首都圏を中心に、個人経営の飲食店や地域に根付いた名店など、Web上では見つけにくい飲食店を実際に訪問し、実食をもとに率直な感想をまとめています。

紹介している店舗はすべて筆者自身が足を運び、料理の味わいだけでなく、店の雰囲気や立地、訪問時の印象まで含めて記録しています。実体験に基づいた情報を大切にしているため、初めて訪れる方でも参考にしやすい内容を心がけています。

いつもの外食から一歩踏み出し、新しい味や店との出会いを楽しみたい方に向けて、非チェーンの飲食店を中心に紹介しています。本ブログが、日々の食事選びや外出のきっかけづくりに少しでも役立てば幸いです。

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