中野坂上で家系ラーメンを食べようと思ったとき、気になっていたのが「麺家たいせい」だった。武蔵家系の流れを汲む一杯と聞き、実際に体験してみたくなったのが訪問のきっかけだ。今回食べたのは上特選ラーメン。丼から立ち上る香りと、濃厚な醤油の輪郭がはっきりしたスープが印象に残る一杯だった。この記事では、中野坂上で味わったラーメン体験を五感ベースで記録していく。
中野坂上のラーメン店「麺家たいせい」と武道家龍の流れ
中野坂上にある「麺家たいせい」は、成城学園前の家系ラーメン店「武道家龍」で店長を務めていた店主が独立して開いた店。武道家龍は武蔵家系の流れをくむ家系ラーメンで知られ、その系譜を感じさせる濃厚な豚骨醤油の一杯が味わえる。

鶏の旨味が前に出た力強いスープと、王道の家系スタイルのトッピングが特徴で、重厚な味わいを求めて訪れる客が多い印象だった。
麺家たいせい「上特選ラーメン」を注文

今回注文したのは「上特選ラーメン」(1450円)。基本の家系トッピングであるチャーシュー、ほうれん草、海苔、ネギに加え、上特選では海苔5枚と味玉、さらに4種類のチャーシューが乗る豪華仕様。丼の見た目は王道の家系ラーメンだが、トッピングの密度が高く、最初から食べ応えのある構成になっている。
訪問時の並びと注文体験
店舗到着は11時50分。店前にはすでに数人の並びがあり、事前に券売機でチケットを購入し、その後列に接続。入店できたのは12時10分だった。店員さんに促されてカウンター席へ。着丼は12時15分とかなり早く、回転の速さが印象的だった。昼休みの会社員が多い時間帯でもあり、提供スピードの速さは体験としてかなり助かる。
“上特選ラーメン”着丼直後の第一印象

目の前に置かれた丼は、家系らしい茶濁した豚骨醤油スープ。表面には鶏油が広く浮き、照明を受けて艶が出ている。丼の中央にはチャーシューが何枚も重なり、周囲にほうれん草とネギ。海苔は縁に沿うように立ち、上特選らしく枚数も多い。湯気とともに鶏油の香ばしい匂いが立ち上がり、顔を近づけると醤油の香りがはっきりと鼻に入ってくる。
スープの味わい

まずレンゲでスープをすくう。色はしっかり濃い茶色。口に含んだ瞬間、最初に来るのは醤油の強い輪郭だった。塩味ははっきり濃いめで、舌の中央にピリッとした角が立つ。そのあとすぐ、厚みのある出汁の旨味が広がる。豚骨のコクも感じるが、それ以上に鶏の風味が前に出てくるタイプの家系スープだ。
表面に浮く鶏油の香りがかなり印象的で、レンゲを口に運ぶたびに鼻に抜ける。油は重たすぎず、口当たりは意外と滑らか。濃厚な見た目に対して、飲み込むときの抵抗はそこまで強くない。温度はしっかり熱く、口の中に残る醤油の余韻が長い。
飲み進めていくと、最初のインパクトの強い醤油に対して、出汁の厚みが徐々に感じやすくなる。舌の奥で鶏の旨味が広がり、豚骨のコクが下支えしているのが分かる。濃厚だが極端な重さはなく、レンゲが自然と進む味。後味には鶏油の香りが残り、鼻から抜ける香ばしさがこのスープの特徴だと感じた。
ただし塩味はかなり強めで、最後まで飲み干すには少し濃い印象。濃厚さと飲みやすさのバランスは良いが、完飲するかどうかは好みに分かれそうだ。
酒井製麺の中太麺の味わいと食感

麺は家系では定番の酒井製麺の中太平打ち麺。軽く縮れた形状で、箸で持ち上げるとスープが表面にしっかり絡んでいるのが見える。
すすった瞬間、もちっとした弾力が歯に当たる。麺の長さはやや短めで、啜りやすいタイプ。表面はつるっとしているが、噛み込むと内部に少しだけ密度を感じる。濃厚なスープが麺の溝に入り込み、口の中で醤油の味が一気に広がる。
スープとの絡みはかなり良い。ただ、個人的にはこの強いスープに対しては、もう少し太さがある麺でも面白そうだとも感じた。現在の麺でも十分成立しているが、さらに太い麺ならスープのパンチに負けない存在感が出る気もする。
麺量は体感で標準より若干少なめな印象。秀逸な味わいに満腹中枢がバグっていたのかもしれないが、少し物足りなさが残るボリュームだった。
チャーシューの味と食感
上特製ラーメンには4種類のチャーシューが入っている。肩ロース、豚モモ、豚バラ、そして鶏むね肉。見た目からして種類の多さがはっきり分かる。

肩ロースは表面を軽く焼き、その後低温調理で仕上げているタイプ。外側は少し香ばしく、中は柔らかい。噛むと肉の繊維がほどける。豚モモは炭火焼きと火入れを二日間繰り返したもの。口に入れた瞬間、炭の香りがふっと広がる。しっとりした肉質で、個人的にはこのチャーシューが一番印象に残った。

豚バラは長時間煮込まれ、ほぐれるような柔らかさ。自家製のチャダレに漬け込まれており、噛むと甘辛いタレの味がにじむ。脂は多いが、スープと合わせるとちょうど良い濃さになる。鶏むね肉は火入れが絶妙で、パサつきはなくしっとりした食感。風味もはっきりしている。
4種類それぞれに個性があり、同じ丼の中で食べ比べる楽しさがある構成だった。
食べ進めた後半の変化

食べ進めると、スープの温度は少し落ち着き、醤油の輪郭がさらにはっきりしてくる。味の方向は濃い醤油が中心なので、後半になると少し単調に感じる瞬間もあった。
そこで卓上のニンニクと豆板醤を少量追加。スープに溶かすと香りが一気に変わり、家系ラーメンらしいパンチが出てくる。ニンニクの刺激と豆板醤の辛味が加わることで、味の段階が一つ上がる感覚。ここから再び箸のスピードが戻る。
家系ラーメンの定番“海苔ライス”

一緒に頼んだ小ライスにスープを染み込ませた海苔を巻いて食べると、これがかなり強い。醤油と鶏油の味が米に染みて、口の中で一気に広がる。満腹感はしっかり出るが、最後までペースは落ちなかった。スープは濃さの関係で完飲まではいかなかった。
総評|この一杯はどんな人に刺さるか

中野坂上の「麺家たいせい」で食べた上特選ラーメンは、醤油の強い輪郭と鶏の旨味が前に出た家系ラーメンだった。濃厚な味わいのスープと、酒井製麺の麺、さらに4種類のチャーシューという構成は食べ応えがある。特に炭火焼きの豚モモチャーシューは印象に残る味だった。
塩味はかなり強めなので、あっさり系が好きな人には少し重いかもしれない。ただ、濃い家系ラーメンが好きな人や、ライスと一緒に楽しみたい人にはかなり満足度の高い一杯だと感じた。個人的にはまた食べに来たいと思える体験だった。
この一杯を一文で表すと:鶏油の香りと濃い醤油が押し寄せる、中野坂上「麺家たいせい」の力強い家系ラーメン。
並び時間や店内の雰囲気
訪問日は平日の昼前。到着は11時50分で、入店は12時10分だったため体感で約20分ほどの並びだった。着丼は入店から5分ほどと早く、回転はかなり良い印象。卓上にはニンニクや豆板醤など家系定番の調味料が置かれている。客層は若者も見かけたが、40〜50代の会社員らしい人が多く、昼休みに立ち寄っている様子だった。店内は黙々と食べてすぐ出る人が多く、全体的にテンポよく回っている雰囲気だった。
店舗情報
店名:麺家たいせい
住所:〒164-0011 東京都中野区中央2丁目2−1 ベル中野坂上
【最寄り駅】:東京メトロ丸の内線「中野坂上駅」から徒歩1分。 大きな幹線道路に面した建物の1階に店を構える。 Googleマップで場所を見る
営業時間:11:00〜22:00(2026年3月現在)
定休日:無休※店休日はXにて配信→麺家たいせいのXを確認する
訪問日:2026年3月12日
到着時間:11時50分
入店:12時10分
着丼:12時15分
退店:12時30分
注文:上特選ラーメン(1450円)
体感並び時間:店舗到着11時50分、入店12時10分、着丼12時15分、退店12時30分
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