2026年6月24日、仕事で宇都宮を訪れた。この日は比較的早く仕事が終わり、JR宇都宮駅近くの宿へ戻ってから「せっかく宇都宮に来たなら餃子を食べたい」という気持ちが自然と湧き上がった。餃子好きとして以前から気になっていたのが、昭和33年(1958年)創業の老舗「宇都宮みんみん 本店」。宿から約16分歩く道のりは少し肌寒かったものの、歩き続けるうちに身体は温まり、名物の宇都宮餃子を味わえる期待で気持ちも高まっていった。

18時35分に店へ到着すると、待っていたのは3名2組だけだった。自動受付機で受付を済ませると、そのまま列へ並び、入店待ちの間に注文を済ませる仕組みになっている。18時40分に店内へ案内されると、活気のある厨房から調理音が絶え間なく聞こえてきた。清掃が行き届いた店内には清潔感があり、幅広い年代のお客さんで賑わっている。昔ながらの赤い丸椅子は年季が入り、座ると少し硬さを感じたが、それも老舗らしい空気の一部に思えた。人気店でありながら接客は丁寧で、落ち着いて食事を楽しめそうな安心感があった。
今回の目的は焼餃子・水餃子・揚餃子の3種類を食べ比べることだった。以前、本店以外のみんみんで餃子を食べた際には、正直それほど印象に残らなかった経験がある。その記憶があるからこそ、本店ではどのような違いを感じるのか確かめたかった。焼餃子だけではなく、水餃子、揚餃子まで揃えて食べ比べることで、それぞれの個性と、最終的にどの餃子が最も印象に残るのかを自分自身の体験として確かめることにした。
宇都宮みんみん本店で焼餃子・水餃子・瓶ビールが並んだ瞬間
18時42分、最初に瓶ビールが運ばれてきた。冷えた瓶を持つと手のひらへ冷たさが伝わり、歩いて火照った身体が少し落ち着いていく。グラスへ注ぐと細かな泡が立ち上がり、一口飲むと炭酸が喉を抜けていった。

18時47分、焼餃子と水餃子がほぼ同時に到着した。視線は自然と焼餃子へ向かう。6個並んだ餃子は均一な焼き色で、底面にはこんがりとした焼き目が付き、ごま油の香ばしい香りが湯気とともに立ち上っていた。皿いっぱいに並ぶ姿は派手ではないが、焼きたてであることがひと目で伝わってくる。
その隣には湯気をまとった水餃子。透明感のあるスープの中で丸みを帯びた皮がゆっくり揺れ、小麦の香りがふわりと鼻へ届く。焼餃子の香ばしさとは対照的に、穏やかな香りが印象的だった。
瓶ビールを中央に置き、左右に焼餃子と水餃子が並ぶ光景は、この日の食べ比べの始まりを感じさせた。まだ味は分からない。それでも焼き色、湯気、香り、それぞれの表情を眺めているだけで期待は十分に膨らんでいった。
最初の一口は焼餃子

まず箸で焼餃子を一つ持ち上げる。皮は薄すぎず厚すぎず、箸先へほどよい弾力が伝わる。底面はしっかり焼かれているものの重たさはなく、軽く持ち上がった。
口元へ近づけると、ごま油の香ばしい香りが最初に広がる。その奥から白菜を中心とした餡の香りが続き、ニンニクは控えめで素材の風味が前へ出ている印象だった。焼きたての熱が頬へ伝わり、思わず少し息を吹きかけてから口へ運ぶ。
唇へ触れた皮は熱々だったが、表面にはほどよい張りがあり、焼き目の部分は箸で持った時以上に香ばしさを感じさせる。まだ噛み切る前だというのに、ごま油の香りだけで瓶ビールへ自然と手が伸びそうになる。最初の一口を前にした時点で、この焼餃子が店の看板商品である理由を確かめたいという期待がさらに大きくなっていた。
焼餃子で料理の方向性が見え、続いて水餃子で印象が変わる

最初の一口で歯を入れると、焼き目の部分が「パリッ」と軽やかな音を立てて割れた。その直後、表面のもっちりとした皮が歯をやさしく押し返し、二つの食感が一口の中で重なり合う。底面は香ばしく、それ以外の部分はやわらかさを残している。この焼き加減のバランスが心地よかった。
噛み進めると餡がほどけ、白菜の甘みが最初に広がる。野菜がたっぷり使われていることが伝わってくるあっさりした味わいだが、その後から肉の旨みが追いかけてくるため物足りなさは感じない。肉汁は勢いよくあふれるタイプではないものの、唇へうっすらと旨みが残り、ジューシーさは十分だった。ニンニクも控えめで、ごま油の香ばしさと素材の風味を邪魔していない。
宇都宮餃子らしく、ラー油に沈んだ粉末状の唐辛子をたっぷり加えて食べると、香ばしさの後から心地よい辛みが追いかけてくる。そのまま瓶ビールを流し込むと、炭酸が口の中を一気に洗い流し、すぐにもう一個食べたくなった。この時点で「今日はビールをもう一本追加するだろうな」と自然に思っていた。

続いて水餃子へ箸を伸ばす。湯気の立つ器へ顔を近づけると、小麦の香りと餡の旨みが穏やかに立ち上る。焼餃子とはまったく違う香り方で、焼き色が付いていないぶん素材そのものを感じやすい。
口へ運ぶと、皮はつるりとした口当たりで、焼餃子より厚みを感じた。噛むたびにもっちりとした弾力が続き、小麦の風味がゆっくり広がっていく。餡も白菜の甘みをより素直に感じられ、焼餃子よりさらにあっさりとした印象だった。

そして意外だったのはスープだった。餃子から旨みが溶け出しているのか、想像していた以上に味わい深い。酢と醤油を加え、さらにラー油をたっぷり垂らすと、酸味と辛みが加わって最後まで飽きずに飲み進められた。餃子を食べ終えたあとも、スープを飲みながらビールを口へ運ぶ時間が心地よく続く。
ビールとの相性だけで比べると、私の中では焼餃子に軍配が上がった。ごま油の香ばしさと焼き目の香ばしさが炭酸とよく合い、次の一口への勢いを作ってくれる。一方で水餃子は、味を調整しながらゆっくり味わう楽しさがある。焼餃子とは方向性の異なる魅力を持った一皿だった。
揚餃子と瓶ビールを追加。三種類を食べ比べて分かったこと
19時になると、予想どおり瓶ビールを追加し、合わせて揚餃子も注文した。焼餃子を食べている段階で追加のビールを想像していたが、その予感は外れなかった。

19時7分、揚餃子が運ばれてくる。揚げたての熱が皿から立ち上り、揚げ油の香ばしい香りが最初に鼻へ届く。焼餃子よりも香ばしさは強く、食欲を刺激する香りだった。
一口かじると、表面は「カリッ」としっかりした歯応え。その後すぐに「サクサク」と軽快な食感へ変わり、中からジューシーな餡が現れる。油っぽさは思ったほど感じず、野菜の甘みと肉の旨みもしっかり残っていた。ビールとの相性もよく、スナック感覚で次々と食べ進めたくなる。

三種類を食べ比べると、それぞれ役割がはっきりしていた。水餃子は小麦の風味とスープの美味しさを楽しめる一皿。揚餃子は香ばしい食感が魅力で、ビールのお供として満足感が高い。そして焼餃子は、その両方の良さを自然な形で兼ね備えていた。
焼餃子は、パリッとした焼き目ともっちりした皮、白菜の甘みと肉の旨み、ごま油の香ばしさ、そしてビールとの相性まで、一口ごとの満足感が非常に高かった。何個でも食べられそうな軽さがありながら、食べ終わるたびにもう一個へ箸が伸びる。今回もっとも印象に残った理由は、この絶妙なバランスにあった。
一方で弱点を挙げるなら、焼餃子だけを食べ続けるより、水餃子を組み合わせたほうが最後まで心地よく食べ進められる点だろう。揚餃子も美味しいが、食感の楽しさが中心になるため、王道の餃子らしさという意味では焼餃子が一歩抜けていた。
実際に食べ終えて感じたおすすめの順番は、焼餃子、揚餃子、そして最後に水餃子。香ばしさを十分楽しんだあと、水餃子のスープで口の中をさっぱりと整える流れが、自分にはもっとも満足度の高い食べ方だった。
宇都宮みんみん本店の店の振る舞いが餃子体験へ与えた影響
人気店というと、どうしても慌ただしい接客を想像しがちだったが、この日はその印象を良い意味で裏切られた。18時35分に到着した時点では2名1組が待っているだけで、自動受付機で受付を済ませたあと、店員さんの案内もスムーズだった。待ち時間の間に注文を済ませる流れになっているため、着席後は料理の提供までが早い。

店内では餃子が焼き上がる音や調理器具が触れ合う音が絶えず聞こえていたが、不思議と騒がしさは感じなかった。お酒を楽しむ人も多く店内は賑わっているものの、厨房から聞こえる調理音が自然と空間を包み込み、隣の席の会話が気になることもない。食事へ集中しやすい空気ができていた。
料理が運ばれてくるタイミングも良かった。瓶ビールが先に届き、その数分後に焼餃子と水餃子が同時に提供される。焼きたてをすぐ味わえる流れが自然に作られていた。
印象に残った場面が一つある。焼餃子を食べ終え、水餃子だけが残っている状態になると、店員さんは空いた焼餃子の皿だけを下げ、水餃子の器はそのまま残してくれた。スープを最後まで味わうことを前提にしているかのような配慮に感じられ、食事の流れを急かされることはなかった。実際に最後はスープを飲みながら瓶ビールをゆっくり楽しむことができ、この店らしい心地よさを感じた。
19時15分に退店。滞在時間は約40分、支払金額は2,240円、現金で会計を済ませた。餃子専門店らしく回転は早いが、食事そのものを慌ただしく終えなければならない雰囲気はなく、最後まで気持ちよく過ごせた。
食後に残った判断
以前、本店以外のみんみんで食べた時は、正直そこまで強い印象は残らなかった。しかし今回、本店で焼餃子・水餃子・揚餃子の三種類を食べ比べたことで、その印象は大きく変わった。

もし再訪するなら、次回は焼餃子を二人前と瓶ビールをじっくり楽しみ、最後の締めとして水餃子を注文したい。今回の食べ比べで、自分にとって最も満足度の高い組み合わせがはっきり見えたからだ。
三種類を注文したことで、それぞれの違いも明確に感じられた。焼餃子はごま油の香ばしさと焼き目、もちっとした皮、白菜の甘みと肉の旨みのバランスが際立ち、王道のおいしさを最後まで楽しめた。水餃子はもちもちした皮とスープの旨みが印象的で、味を調整しながら食べる楽しさがある。揚餃子はサクサクした軽快な食感が魅力で、ビールとの相性も良かった。
宇都宮餃子を語る上で、一度は訪れてみる価値のある一軒だと感じた。一方で、メニューは餃子を中心とした構成なので、ゆっくり料理を選びながら長時間会話を楽しみたい人には少し物足りなく感じるかもしれない。反対に、餃子そのものを目的に訪れる人にとっては満足度の高い時間になると思う。
焼き餃子・水餃子・揚餃子 食べ比べ順位
1位 焼餃子
焼き目の香ばしさ、もっちりした皮、白菜の甘みと肉の旨み、ごま油の香り、そして瓶ビールとの相性まで、すべてのバランスがもっとも印象に残った。何個でも食べ進められる軽さがありながら、一口ごとの満足感も高く、今回もっとも記憶に残った一皿だった。
2位 水餃子
もちもちした皮の食感と、小麦の風味をしっかり味わえる点が魅力だった。餃子だけでなく、旨みが溶け込んだスープまで楽しめたことは予想以上の発見だった。食後まで心地よく余韻を残してくれる一皿である。
3位 揚餃子
サクサクした軽快な食感と香ばしさは魅力的で、ビールとの相性も十分良かった。ただ、三種類を比較すると、餃子本来のバランスという点では焼餃子が一歩抜けており、水餃子にはスープという個性があったため、今回は三位という結果になった。
向いている人
宇都宮餃子を代表する老舗の味を体験したい人、焼餃子・水餃子・揚餃子を食べ比べて違いを楽しみたい人、餃子と瓶ビールの組み合わせを存分に味わいたい人。
向いていない人
餃子以外の料理も幅広く注文したい人や、料理をゆっくり選びながら長時間会話を楽しみたい人には、少し用途が異なる店だと感じた。
実食動画
▼実食の様子はこちら
↓東京で出会えるおすすめグルメ「餃子」編↓
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餃子舗 宇都宮 みんみん
【住所】〒320-0026 栃木県宇都宮市馬場通り4丁目2−3
【最寄り駅】:JR宇都宮駅から徒歩16分、東武宇都宮駅から徒歩12分。 飲み屋街の一角に店を構える。 Googleマップで場所を見る
このブログについて
このブログでは、チェーン店では味わえない、その街ならではの魅力が詰まったグルメ情報を中心に発信しています。首都圏を中心に、個人経営の飲食店や地域に根付いた名店など、Web上では見つけにくい飲食店を実際に訪問し、実食をもとに率直な感想をまとめています。
紹介している店舗はすべて筆者自身が足を運び、料理の味わいだけでなく、店の雰囲気や立地、訪問時の印象まで含めて記録しています。実体験に基づいた情報を大切にしているため、初めて訪れる方でも参考にしやすい内容を心がけています。
いつもの外食から一歩踏み出し、新しい味や店との出会いを楽しみたい方に向けて、非チェーンの飲食店を中心に紹介しています。本ブログが、日々の食事選びや外出のきっかけづくりに少しでも役立てば幸いです。
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