人形町「高級鯛焼本舗柳屋」の“たい焼き”を選んだ理由|焼き場の音と香りで並ばせる東京三大たい焼き

人形町「高級鯛焼本舗柳屋」紙越しでも伝わる熱を感じる“たい焼き” メトログルメ
人形町「高級鯛焼本舗柳屋」紙越しでも伝わる熱を感じる“たい焼き”

人形町という街に来ると、どうしても昔ながらの甘味が食べたくなる。老舗が多く、歩いているだけで「ここで何か一つ食べて帰りたい」という気分になる場所だ。以前、ネット検索で「東京三大たい焼き」という言葉を見かけてから、ずっと気になっていたのが人形町の柳屋だった。昔からスーパーの駐車場などで売られているたい焼きが好きで、あんこも好物。最近はたい焼き自体がちょっとしたマイブームになっていて、「だったら一度、名の通った老舗を自分の舌で確かめてみよう」と思い、この日足を向けた。

平日の12時半頃、人形町駅から甘酒横丁に入ると、すぐに行列が目に入った。ざっと数えて30人ほど。平日だから油断していたが、想像以上だ。並び始めると、店の中から聞こえてくるコテの音と、甘く香ばしい匂いが風に乗って流れてくる。たい焼きが焼ける匂いは、列の後方にいてもはっきり分かる。この匂いだけで、もう食べる前から期待が膨らんでいく。店構えは古びていて、いかにも老舗という佇まい。客層は30代から60代くらいが中心で、この日は若い人や外国人観光客の姿は見当たらなかった。

人形町「高級鯛焼本舗柳屋」OPEN前の誰もいない時間帯は嵐の前の静けさ
人形町「高級鯛焼本舗柳屋」OPEN前の誰もいない時間帯は嵐の前の静けさ

正直に言うと、並び始めて10分ほど経ったあたりで「40分以上並ぶ価値が本当にあるのか」という小さな違和感も芽生えた。たい焼き一つにここまで時間をかける必要があるのか。期待と同時に、老舗だからという理由だけで評価が上がってしまうのでは、という自分への疑いもあった。ただ、その違和感を打ち消すように、焼き場から立ち上る香りが途切れ途切れに鼻を刺激し続ける。ここまで来たら、最後まで確かめたい。そんな気持ちで列に身を委ねた。

人形町・柳屋で並ぶ時間と甘味への覚悟

結果的に、たい焼きを受け取るまでに40分以上かかった。行列は淡々と進むが、決して早くはない。一丁焼き、いわゆる天然物のたい焼きで、一つずつ型に生地を流し、あんこを詰め、丁寧に焼き上げていく。

人形町「高級鯛焼本舗柳屋」音と楽しめる伝統の一丁焼き
人形町「高級鯛焼本舗柳屋」音と楽しめる伝統の一丁焼き

その工程を想像しながら待つ時間は、長いが無駄ではなかった。焼き場では職人さんが一定のテンポでコテを動かし、型を返すたびに「カン、カン」と乾いた音が響く。急かす様子はなく、あくまで自分たちのリズムを崩さない。行列ができる理由は、この姿勢にもあるのだと感じた。

一方で、近隣への配慮からか、店の対応はやや厳しめだ。列の並び方や立ち位置について注意が入ることもある。ただ、常に人が溢れている状況を考えれば、これは必要なことだろう。愛想の良さを求めて来る場所ではない。たい焼きそのものに集中する店だ。

人形町のたい焼き|焼きたてを受け取った瞬間

ようやく順番が来て、手渡されたたい焼きは想像以上に熱かった。紙越しでもはっきり伝わる熱。表面から立ち上る香りは、並んでいる間に嗅いでいたものよりも、さらに濃い。

人形町「高級鯛焼本舗柳屋」紙越しでも伝わる熱を感じる“たい焼き”
人形町「高級鯛焼本舗柳屋」紙越しでも伝わる熱を感じる“たい焼き”

焼きたてでしか味わえない匂いだと思う。すぐにかぶりつきたい衝動を抑えながら、少しだけ冷まし、まずは皮の表面を眺める。焼き目は均一で、薄く、無駄な厚みがない。

高級鯛焼本舗 柳屋のあんこを食べた率直な感想

一口かじると、すぐにあんこが顔を出す。北海道産小豆の粒あんは、甘さが控えめで、口の中に重たさが残らない。しつこさがなく、次の一口を自然に誘ってくる味だ。

人形町「高級鯛焼本舗柳屋」たっぷりと詰まった北海道産小豆の粒あん
人形町「高級鯛焼本舗柳屋」たっぷりと詰まった北海道産小豆の粒あん

驚いたのは、尻尾の先までしっかりあんこが詰まっていること。途中で「ここは皮だけか」と感じる瞬間がない。量が多いというより、バランスが良い。甘さが強すぎない分、皮との調和が取れていて、食べ進めても飽きが来ない。

人形町・柳屋のたい焼きの皮と香ばしさ

皮は薄く、パリッとした食感が印象的だ。一丁焼きならではの焼きたて感が際立ち、噛んだ瞬間に軽い音が立つ。香ばしい焼き目と、木火・炉の匂いが混ざり合い、たい焼きそのものの風味を強く感じる。あんこが主役でありながら、皮が脇役に徹していない。しっかり存在感がある。

人形町「高級鯛焼本舗柳屋」香ばしい焼き目の香りが鼻腔をくすぐる“たい焼き”
人形町「高級鯛焼本舗柳屋」香ばしい焼き目の香りが鼻腔をくすぐる“たい焼き”

ただ、これは完全に個人的な好みだが、もう少し皮自体の旨みが欲しいとも感じた。薄くてクリスピーなのは魅力だが、もう一段、粉の風味やコクがあれば、さらに好みだったかもしれない。この点は好みが分かれる部分だと思う。

甘味としてのたい焼き|食べ進めて感じた変化

熱々の状態では、皮のカリッと感が際立ち、香ばしさが前面に出る。少し時間が経ち、温度が落ち着いてくると、今度はあんこの輪郭がはっきりしてくる。冷めても味が崩れないのは、素材と焼きのバランスが取れている証拠だと感じた。持ち帰って食べても、きっと印象は大きく変わらないだろう。

人形町でこの甘味をどう位置づけるか

創業大正5年、100年以上続く老舗という肩書きがなくても、このたい焼きは一度は食べてみる価値があると思う。2026年1月時点で1個200円という価格も、この立地と内容を考えると、むしろ良心的だ。人形町に寄ったついでに、気軽に一つ買って食べ歩く。そんな使い方が一番しっくり来る。

人形町「高級鯛焼本舗柳屋」創業大正5年、100年以上続く老舗
人形町「高級鯛焼本舗柳屋」創業大正5年、100年以上続く老舗

ただし、あの行列と待ち時間を考えると、頻繁に通いたいかと言われれば正直にNOだ。時間に余裕がある日、もしくは行列が落ち着いているタイミングなら、また立ち寄りたい。老舗の甘味を体験する、という意味では十分満足できた。

人形町・柳屋の高級鯛焼きはどんな人に向いているか

人形町「高級鯛焼本舗柳屋」昔ながらのたい焼きを堪能できる老舗たい焼き店
人形町「高級鯛焼本舗柳屋」昔ながらのたい焼きを堪能できる老舗たい焼き店

向いている人

・人形町の老舗や甘味が好きな人
・たい焼きの焼きたて感や香ばしさを重視する人
・甘さ控えめの粒あんが好みな人
・多少並んでも、昔ながらの味を体験したい人

向いていない人

・待ち時間なくすぐに食べたい人
・接客の柔らかさや居心地を重視する人
・皮に分厚さや強いコクを求める人

↓東京都内で出会えるおすすめグルメ「たい焼き」編↓

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高級鯛焼本舗 柳屋 創業大正五年

【住所】〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町2丁目11−3

【最寄り駅】東京メトロ日比谷線人形町駅から徒歩1分

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