とんかつ憲進の静かな店内へ
インスタグラムを眺めていて、たまたま目に入った白いとんかつ。成蔵のとんかつを彷彿とさせるフォルムに惹かれ、神楽坂という立地も重なって、これは名店の予感がする。そんな期待を抱きながら飯田橋駅を降り、軽子坂方面へ歩いた。

飯田橋駅から歩くこと約7分。軽子坂沿いのビル2階にある入口はこぢんまりとしていて、外階段を上がって入店する。隠れ家のような雰囲気があり、店内に入ると清潔感のある落ち着いた空間が広がっていた。カウンター席を中心とした13席で、静かに食事へ向き合えそうな空気がある。
揚げ場からは揚げ物の香りが漂い、とんかつが仕上がっていく様子にも目が向く。低温からじっくり揚げるため提供まで時間がかかることも、この店では自然に受け入れられる。丁寧な接客も含め、入店した時点では期待がさらに膨らんでいた。
ロースカツ定食を前に迷う

注文したのはロースカツ定食にアジフライ単品。目の前に料理が並ぶと、まず視界に入ったのは白っぽい衣だった。一般的なとんかつを想像していると色の違いがはっきりしていて、白い衣をまとったロースカツには自然と視線が集まる。
定食として見ると、ご飯や豚汁、漬物なども並び、どこから箸を伸ばそうか少し迷う。アジフライも加わったことで、肉と魚を一度に味わえる構成になった。揚げ場から漂う香りを感じながら、まずは柔らかな印象のアジフライから箸を入れることにした。
アジフライが作るロースへの期待

最初にアジフライへ箸を入れると、衣も身もふわっとした感触が箸先に伝わった。揚げ物なのに重さを感じにくく、アジの身は柔らかくほぐれる。口に入れると、ふっくらした身からアジそのものの味わいが広がった。
添えられた自家製タルタルソースには柚子が入り、酸味の中に柑橘の香りがある。柔らかなアジに合わせると後味がすっと抜け、気づけばあっという間に食べ終えていた。この軽さを感じたことで、目の前の白いロースカツはどんな食べ口なのか、意識がそちらへ向いていった。
ロースカツに視線が集まる

アジフライを食べ終えてから改めてロースカツを見ると、白い衣がやはり目を引く。雪のように白く、ふわっとした衣が肉の表面を包んでいる。一般的なとんかつとは明らかに違う色合いで、衣がパラパラと軽やかに見えるのも印象に残った。
断面には肉汁を含んだような艶があり、豚肉の表面がウルっとみずみずしく見える。白い衣と豚肉のコントラストもきれいで、箸で持っただけでも切れてしまいそうな柔らかさを感じる。アジフライの軽い食感を味わった直後だからこそ、同じ揚げ物でもロースカツがどんな違いを見せるのか、期待が高まった。
ロースカツの白い衣と肉の甘み
見た目と量感

ロースカツを箸で持つと、まず衣の軽さが伝わってくる。白い衣はこんがり焼き色をつけたものとは違い、ふわふわした羽のようにも見える。断面はしっとりとしていて、肉の中心まで水分を含んだような艶がある。低温からじっくり揚げる調理法によるものなのか、見た目からも一般的なとんかつとの違いを感じた。
最初の一口

口に入れると、衣はサクッとしながらもパラパラとほどけるように軽い。その直後に豚肉の柔らかな質感が続き、噛んだ瞬間に肉汁がじわっと広がった。肉はレアのように柔らかく感じるのに、火が通っていないような生々しさはない。ふわふわした衣と、とろけるような肉の柔らかさ。この食感の差が強く印象に残った。
口の中に油膜が重く残る感じも少なく、揚げ物としては軽い食べ口。ロースカツを食べているのに、脂を押し込まれるような感覚がない。もう一切れ箸を伸ばしたくなる軽さがあり、肉そのものの味へ意識が向いていった。
岩塩と特製ソースで変わる輪郭

岩塩をつけると豚肉そのものの甘みが前に出る。脂にも甘みがあるものの、しつこさは感じにくく、肉汁もすっきりしている。塩が舌先に触れることで豚の味が際立ち、衣のふわふわした食感もより分かりやすくなった。
一方、壺に入ったとんかつソースは絶妙なとろみがあり、酸味がきりりと立っている。白い衣にまとわせると色合いが変わり、まるでコートを羽織ったように見える。濃い脂の存在感を包み込みながら、後味は意外と爽快だった。さらりとしたもう一種類のソースもあるが、個人的にはこちらの方が好み。ソースをまとったカツと白米を同時に頬張る瞬間には、自然と箸が進んだ。
期待とのズレ
インスタグラムで白いとんかつを見た時点で、成蔵を思わせる見た目には強く惹かれていた。実際に食べてみても、柔らかな肉質や軽い衣、脂の甘みは期待していた方向から外れなかった。
ただ、ひとつだけ自分の好みとのズレがあった。僕は、こんがり揚がった香ばしいとんかつの方が好みなのだ。白い衣の軽さはこの一杯の個性だと感じる一方、香ばしさを求める自分には、そこだけ少し迷うところだった。これは料理への不満というより、完全に自分の好みの問題だと思う。
ロースカツが主役になる理由

アジフライはふわっと柔らかく、柚子入りのタルタルで軽く食べ進められた。その後にロースカツへ向き合うことで、こちらの衣と肉の柔らかさがよりはっきり感じられた。肉汁のすっきりした味わいと脂の甘みもあり、ロース=重いという先入観をひっくり返すような食べ口だった。
脂が苦手でとんかつを敬遠していた人なら、この白い衣と軽い食べ口には驚くかもしれない。僕自身も、見た目から想像したとんかつとは違う方向へ食体験が動いたことで、白いとんかつという存在を改めて意識することになった。
ロースカツを次はどう頼むか

今回の注文で迷ったのは、アジフライを組み合わせるかどうかだった。アジフライ自体はふわふわした身と柚子入りタルタルの組み合わせが食べやすく、ロースカツとの食感の違いも楽しめた。ただ、主軸をロースカツに置くなら、次回はロースカツそのものに集中する注文も試してみたい。
特に自分は香ばしく焼き色のついたとんかつが好みなので、白い衣の軽さをもう一度確かめながら、別のロースや部位を選ぶかどうかは迷うところ。反対に、脂の重さを理由にとんかつを避けてきた人や、一般的なとんかつとは違う食感を試してみたい人なら、今回の体験からは注文を検討する材料になると思う。
僕が再訪するなら、まずはロースカツを主役にして、付け合わせを増やさず食べ方を変えてみたい。岩塩で豚肉の甘みを確認し、酸味の立った特製ソースでは白米と合わせる。今回感じた「軽さ」が、注文の組み合わせを変えても自分にどう響くのか。次に確かめたいのはそこだ。
(向いている人)白いとんかつの見た目に惹かれる人、柔らかな豚肉や軽い衣を楽しみたい人、脂の重さが気になってとんかつを避けていた人には、今回の体験から試してみる理由を感じた。
(向いていない人)僕のように、こんがり揚がった衣の香ばしさを強く求める人は、白い衣ならではの軽さとの違いを考えてから注文した方がよさそうだ。
実食動画
↓東京で出会えるおすすめグルメ「とんかつ」編↓
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【住所】〒162-0825 東京都新宿区神楽坂3丁目1−23 Ami神楽坂 2階
【最寄り駅】:JR総武線「飯田橋駅」から徒歩3分。 飲み屋街を抜けた落ち着いたエリアに店を構える。 Googleマップで場所を見る
このブログでは、チェーン店では味わえない、その街ならではの魅力が詰まったグルメ情報を中心に発信しています。首都圏を中心に、個人経営の飲食店や地域に根付いた名店など、Web上では見つけにくい飲食店を実際に訪問し、実食をもとに率直な感想をまとめています。
紹介している店舗はすべて筆者自身が足を運び、料理の味わいだけでなく、店の雰囲気や立地、訪問時の印象まで含めて記録しています。実体験に基づいた情報を大切にしているため、初めて訪れる方でも参考にしやすい内容を心がけています。
いつもの外食から一歩踏み出し、新しい味や店との出会いを楽しみたい方に向けて、非チェーンの飲食店を中心に紹介しています。本ブログが、日々の食事選びや外出のきっかけづくりに少しでも役立てば幸いです。
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